World Congress of Endourology and Technology (WCET) 2025 参加報告
2025年09月17日
2025年9月10日から13日まで、米国@アリゾナ州・フェニックスで開催された42th WCET2025に参加しました。私自身、米国への学会参加は約10年ぶりで学会以外にも学びの多い4日間(2泊4日 片道約24時間)となりました。
まず、感じたことは今の米国では現金を使う機会がありません。空港の中の売店は、ほぼクレジットカードのみの対応でセルフレジしかなく、しかもレジによってはタッチ決済のみの対応であり、従来の差し込み型不可の所が多かったです。また、ホテルのチェックインの際クレジットカードとパスポートの確認が必要であり、Depositもクレカのみ対応でした。結局、換金した紙幣で実際に使用したのは、ベッドメイキングしてくれた方へ2ドルお渡ししたのみでした。
米国ではクレジットカードの所持がある種の『社会的信用』であることは知識として持っていたのですが、今回改めてその重要性を実感しました。先日参加させて頂いたUAA@台湾でも同じ傾向であり、今後日本でも同様の流れが更に加速していくことが予想されました。
私は、普段日本では主に現金を使うため知識がなかったのですが、今回事前に若い先生方(椙村先生・阿部先生)に教えを受けてタッチ決済のクレジットカードを所持しており、何とか乗り切ることができました。
次に、TAXIの衰退とUberを代表するRide Shareの拡充です。これまでは海外学会に参加した場合、まず空港から会場かホテルにTaxiで向かうことが一般的でした。しかし今は、TAXI乗り場にほぼ人はおらず、ほとんどの方がRide Shareと呼ばれるUberやLiftといったRide Share アプリを用いて、配車から移送、並びに支払いまでアプリ内で完結できるシステムが社会のインフラの1つと呼べるレベルになっています。(実際空港ではRide Shareのため乗り場の方が多く、しかもTaxiより安い)また、運転手の方もほとんどの方が副業のようですが、Uberアプリ内での評価が悪いと配車されなくなるためか、非常に親切でした。
Uberに関しても、やはり若い先生方(志村先生・古屋先生)にUberアプリのダウンロードから使い方までレクチャーを受けていたおかげでスムーズに利用することができました。
また、時に経験する海外での早朝フライト(今回は朝7時出発便)にも対応しており、Uberのアプリ内で日時、航空会社・便名を検索すると、自動で行先(空港・ターミナルまで)や配車する時間も予約でき、ストレスなく早朝のフライトに間に合うことが出来ました。
会場からのPhenixの街並み
Dr Pepper Diet版 約500円
ただ、やはり米国の物価は高く、肌感覚で約3倍程度でした。(サンドイッチ2000‐3000円 350mlのDr.Papper 500円 バーガーキングのワッパーのセット3000円程度)これには、閉口しましたが後述するようにWCETはスポンサーランチ・ディナー(自由に参加可能)があり、そこで食事をとれたので、今回はそれほど痛手ではありませんでした。他の海外学会では通常このような催し(ランチョンセミナー等)はないため要注意かと思います。
Abstract Reviewer; 下線が筆者
看板
学会自体の印象ですが、WCETは文字通り世界中の泌尿器科医のための内視鏡外科学会であり、内容はほぼすべて泌尿器内視鏡手術に関する内容です。今回は特に米国開催であったため、米国内の状況が反映されたものでした。
さて、皆さんは泌尿器科のメインの手術といえば何を思い浮かびますでしょうか。そうです、尿路結石と前立腺肥大症です。この2つの疾患の手術がやはり我々のメインストリームであることを、本学会に参加するとよく実感できます。この2つの手術のセッションの数や参加される医師・会場の規模、関連企業の力の入れ方(実際スポンサーランチ・ディナーのほとんどがこの2つの手術関連企業でした。)は参加すると一目瞭然です。
私の専門分野の1つである鏡視下手術(LAP/Robot)は基本この2つの疾患の手術に比べるとマイナー感(参加人数・会場規模・関連企業等)は否めませんでした。実際私がModeratorであったセッション(腎・副腎 ロボット手術 Video session)も小さな会場で参加人数もまばらで正直寂しい状況でした。ただ、基本皆議論好きで他人の意見にきちんと耳を傾けたうえで自分の意見を述べる等節度のある非常に熱の入った素晴らしいものでした。また、泌尿器科医として気になる点や懸念点は国や背景関わらず同じであり、非常に勉強になりました。
また、すでに米国内ではMulti portのRobot手術はStandardなもの(昔の開腹手術のような位置付け)になっており、現在はSingle portで様々な手術を行っていく風潮です。私が参加したセッションでは、副腎摘除、腎部分切除、腎摘除、膀胱全摘(ICUD 回腸導管~代用膀胱まで)、前立腺全摘(軽膀胱的)、その他(尿管瘤・膀胱頚部硬化症・膀胱拡大術)等をSingle portで行い標準化しようとしており、我々より先に進んでいる印象を受けました。
このように要約するとWCETは日本のJSERのWorld Wide版で、臨床を普段メインに行っている我々にとって非常に学びの多い機会となりますので、ぜひ若い先生方には参加して学んで頂ければと思います。来年はアルゼンチン・ブエノスアイレスと少し?遠いですが、参加したい方は一緒に演題を考えましょう。
最後に, このような素晴らしい機会を作って頂いたJUA、JSER、WCET関連学会関係者の方々, 御推薦を頂いた三井教授、また留守中にご負担をおかけした先生方に, この場をお借りして厚く感謝申し上げます。今後は微力ながら本学会で得た経験を皆さまに還元していくよう努力を続けようと思います。
文責;吉良 聡




