前立腺がん
1. 前立腺癌とは
前立腺癌は、男性特有の臓器である前立腺に発生する癌です。前立腺は膀胱の下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。精液の一部を作る役割を担っており、男性の生殖機能に関係しています。前立腺癌は高齢の男性に多く見られ、早期発見・早期治療が重要です。
2. 前立腺癌の原因とリスク因子
前立腺癌の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。
- 加齢:加齢とともに前立腺癌のリスクは高まります。
- 家族歴:家族に前立腺癌の患者さんがいる場合、リスクが高くなります。
- 人種:アフリカ系アメリカ人に多く、日本人にも増加傾向があります。
- 食生活:高脂肪食の摂取がリスクを高める可能性があります。
3. 前立腺癌の症状
早期の前立腺癌は無症状であることが多く、定期的な検診で発見されることがあります。進行すると以下のような症状が現れることがあります。
- 排尿困難
- 頻尿や夜間頻尿
- 尿の勢いの低下
- 血尿や血精液症
- 骨の痛み(転移時)
4. 前立腺癌の検査方法
前立腺癌の診断にはいくつかの検査が行われます。
(1) PSA検査
血液検査で前立腺特異抗原(PSA)を測定します。PSA値が高い場合、前立腺癌の可能性が考えられます。
(2) 直腸指診
医師が指で直腸を通じて前立腺を触診し、硬さやしこりを確認します。
(3) 画像検査
- MRI:前立腺の形状や癌の広がりを詳しく調べます。
- CTや骨シンチグラフィ:転移の有無を調べるために行います。
(4) 前立腺生検
局所麻酔を行い、針を使って前立腺の組織を採取します。採取した組織を顕微鏡で調べ、癌の有無を診断します。
5. 前立腺癌の治療方法
前立腺癌の治療法は、癌の進行度や患者さんの年齢、健康状態に応じて選択されます。
(1) 手術療法
前立腺を摘出する前立腺全摘除術が行われます。最近では、ロボット支援手術(ダビンチ)も普及しており、より精密で低侵襲な手術が可能です。
(2) 放射線療法
体外から放射線を照射する外部照射や、前立腺に放射線源を挿入する小線源治療があります。
(3) 薬物療法
- ホルモン療法:前立腺癌の成長に関与する男性ホルモンの働きを抑制します。
- 化学療法:進行した癌に対して抗がん剤を使用します。
(4) 経過観察
高齢の方や病状が進行していない方には、積極的監視として定期的に検査を行いながら治療を行わない選択肢もあります
6. 治療後の経過と注意点
治療後は、定期的にPSA値を測定し、再発の有無を確認します。また、骨転移のリスクがあるため、骨の状態も評価します。副作用として排尿障害や性機能障害が生じることがありますが、リハビリテーションや薬物治療で対応します。
7. まとめ
前立腺癌は早期発見・早期治療により良好な治療成績が期待できます。定期的な検診を受け、気になる症状がある場合は早めに医師に相談しましょう。
ご不明点があれば、担当医にお気軽にご相談ください。