疾患と治療方法 / 泌尿器科疾患の解説

尿の異常

尿が赤い

尿潜血:試験紙にて検査します。健康診断で尿潜血陽性と診断された人は多いと思います。尿中のわずかな赤血球にも反応し、尿の通り道に出血がある可能性が高いですが、実際に治療が必要になる人は数%です。しかし、尿潜血陽性の結果の人は放置せずに1度専門医に診察してもらうことを勧めます。肉眼的血尿:見た目で明らかに赤い尿が出る場合です。尿路結石・膀胱腫瘍・前立腺肥大症・膀胱炎などで認めることが多いです。この中で特に膀胱腫瘍は肉眼的血尿がきっかけで見つかる場合が多く、放置したために巨大な膀胱腫瘍へと進行してしまう症例もあります。

尿が濁っている

膿尿:尿の中に白血球が混在する状態で、通常は尿が濁って見えます。尿路のどこかに炎症を起こしている可能性が多く、腎盂腎炎・尿路結石に伴う尿路感染・膀胱腫瘍に伴う膀胱炎・前立腺炎・尿道炎(淋病・クラミジアなどは性行為感染症)などが考えられます。男性の場合は何らかの病気が隠れていることが多いので、精査が必要になります。

おしっこの回数が多い(頻尿)

夜間頻尿:夜に寝ている間、2回以上尿意によって目が覚めてしまう状態です。前立腺肥大の初期症状として多く見られます。昼間頻尿:昼間に8回以上の排尿がある場合です。1回当たりの尿量が少ない場合は、前立腺肥大症・神経因性膀胱・尿路感染などが考えられます。1回あたりの尿量が少なくなければ、糖尿病・尿崩症などが考えられます。また、何の病気がなくても水分をたくさん取れば尿回数は多くなります。

おしっこの量が少ない(頻尿)

尿閉:膀胱内に尿は溜まっているのに排出できない状態です。前立腺肥大症・尿道結石・尿道狭窄・前立腺がん・などが考えられます。無尿・乏尿(1日に100ml以下・400ml以下):膀胱に尿が溜まってこない状態です。急性腎不全の状態で、尿管に問題がある場合、腎臓自体に問題がある場合、腎臓への血管に問題がある場合、があります。十分に水分を飲んでいるのにおしっこが出なければ、放置すると命にかかわる場合があるので、すぐに専門医に受診しましょう

おしっこが漏れる

切迫性尿失禁:おしっこがしたくなってトイレに行く途中に漏れてしまう状態です。過活動性膀胱・前立腺肥大・膀胱結石などが考えられます。溢流性尿失禁:膀胱に尿が十分溜まっているのに排尿できずにちょろちょろともれてしまう状態です。神経因性膀胱・前立腺肥大などが原因となります。その他、気づかずにもれてしまう状態や、おなかに力を入れると漏れてしまう状態もあります(女性、尿失禁の項参照)。

おしっこが出づらい・出しづらい

男性の場合、年齢を重ねるにつれほとんどの人が自覚するかも知れません。前立腺肥大症が原因であることが多い症状です。内服治療が非常に効果的ですので専門医の受診を勧めます。