疾患と治療方法 / 泌尿器科疾患の解説

尿路結石症

※当科には体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)がございません。原則的に尿路結石症の診察・治療は行っていません。

症状

突然背中やわき腹がとても痛くなります。とても痛いだけでなく、吐気や嘔吐が起こり、歩けない人もいます。その他尿が赤くなったり、尿の回数が急に増えたりします。

病態生理

人によって食事、遺伝、感染などが原因で腎臓の中に石ができますが、多くは原因がはっきりしません。腎臓は尿を作り出す臓器で普段は尿管というパイプを通して膀胱へと尿を送ります。腎臓の中に石ができると多くは尿と一緒に尿管へ移動します。この時石のサイズが小さければそのまま膀胱へ流れますが、大きいと尿管で詰まってしまいます。そうすると尿管の中の圧力が高くなったり、石が壁を傷つけたりします。これが痛みの原因です。

検査

血尿になっていないか、感染していないかを調べるために尿検査をし、石の位置を調べるためや水腎(腎臓に水が貯まりすぎている状態)になっていないか調べるためにレントゲン、エコー、CTなどで検査します。

治療

大きく分けると急性期(痛い時)に治療する方法とその後痛みが治まってから治療する方法があります。

急性期

痛みをとるため、鎮痛薬(座薬や注射薬)を使ったり、尿の流れを良くするために点滴をします。場合によってはこの時に石を割ることもあります。

その後

石が尿と一緒に流れるように水分(1日2000ml以上)をとってもらったり、運動や薬を飲んでもらいます。また石の種類によっては薬で石を溶かすこともします。これでよくならない場合は検査の結果をみて石を砕くための治療を行います。また、石の位置や患者様の体の状態(妊娠、がんなど)によって治療法を選択します。

補足

痛みがある時、血尿が出た時など上記のような症状が出てきた時は受診してください。症状が出ると脂汗が出るほど辛く我慢をしていても解決になりません。結石だけではなく大動脈解離などの病気でも上記のような症状が出てくるのでくれぐれも我慢は禁物です。